アニール処理を施した素材を使用することによるコストダウン・品質向上
提案内容 | アニール処理を施した素材の使用 |
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提案効果 | コストダウン・品質の安定 |

Before
肉厚が小さくかつ径が大きいパイプ形状品は、歪みが発生しやすいです。こうした形状で、内外径に厳しい公差があると、加工時に、素材自体の残留応力で狙い寸法を大幅に外れてしまったり、歪が生じてしまい寸法をスペックアウトこともあります。
また、歪みが発生しないようにすると、加工工程を追加し、加工時間が長くなってしまいます。
After
アニ-ル処理を施し、素材の硬さが均一な素材を使用することで、残留応力により生じる歪みの発生を下げ、完成品の品質を安定させることが可能となります。
*アニ-ル処理は一般的に焼きなましと呼ばれ、熱処理の一種のため、材質の成分が変化したりはいたしません。
Point
アニール処理を施した素材は、通常の素材と比較して入手るまでのリードタイムが長くなることが多いです。また、通常の素材よりも2~6割程度高くなる傾向があります。(材料の大きさによって価格が変わります。)
しかし、通常の素材を加工し、不良が発生する確率を考慮すると、アニール処理を施した素材を使用した方が結果としてコストダウンに繋がることが多いです。
内外径に厳しい公差があり、肉厚が小さくかつ径が大きいパイプ形状品の加工を依頼される場合は、最初からアニール処理を施した母材の指定をしていただくことで、確認をする時間が減り、リードタイムの短縮に繋がります。