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技術コラム

マシニング加工で高精度を実現するための設備・治具・測定体制

工作機械の性能は年々進化していますが、「高性能な設備を導入すれば自動的に高精度加工ができる」というほど、加工現場は単純ではありません。実際には、設備性能を正しく引き出し、安定した精度を維持するための周辺環境や運用体制が不可欠です。

高精度加工を継続的に実現するには、設備・治具・測定のそれぞれが適切に機能する体制づくりが重要です。いずれか一つでも不十分であれば、加工精度はばらついてしまいます。

本記事では、現場の視点から、それぞれの要素が精度にどのように影響するのか、具体的なポイントを解説します。

1. 設備設備:高精度加工を支える基盤

高精度加工の前提となるのは、工作機械そのものの性能です。特に重要となるのが、剛性・熱安定性・制御性能の3点です。

高剛性構造

切削時に発生する抵抗に対して十分な剛性を持つ工作機械は、微小なビビりや機械変形を抑え、寸法ばらつきの低減につながります。特に重切削や長時間加工では、機械剛性の差がそのまま加工精度の差として表れます。

高剛性で定評のあるメーカーとしては、牧野フライス製作所やニデックOKKが代表的で、たわみにくい構造は現場からも高く評価されています。

当社では、牧野フライス製の横形マシニングセンタを5台、ニデックOKK製の立形マシニングセンタを3台保有しており、公差要求の厳しい加工にはこれらの設備を積極的に使用しています。

熱変位対策

工作機械におけるスピンドルやボールねじの温度変化は、ワーク寸法にミクロン単位の誤差を生じさせる要因となります。温調機能や熱変位を考慮した構造を備えた設備であれば、長時間加工でも寸法が安定しやすくなります。

近年では、オークマ、ヤマザキマザック、牧野フライスなどから、熱変位対策を強化したモデルが多数提供されています。当社では以下のような設備を導入し、厚み公差や穴ピッチ精度が厳しいワークにも対応しています。

・マシニングセンタ:牧野フライス a81nx、ヤマザキマザック VCN-530C
・複合加工機:ヤマザキマザック INTEGREX i-100、i-350H

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制御技術

高速・高精度制御、AIによる補正機能、軌跡スムージングなど、制御技術の進化も精度向上に直結します。特に金型加工や微細形状加工では、制御性能が仕上げ面を大きく左右します。

制御技術に強みを持つメーカーとしては、オークマ、牧野フライス、DMG森精機などが挙げられます。
当社では、牧野フライス製 a81nx を活用し、高速加工においても安定した面粗度と形状精度を実現しています。

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2. 治具:ワークを正確に保持するための要

どれほど高性能な設備を使用しても、ワークの保持が不安定では高精度加工は成立しません。治具は加工精度を左右する重要な要素であり、見えにくい部分で品質を支えています。

剛性と繰り返し位置決め性

治具のたわみやクランプ力のばらつきは、加工中のワーク変形を引き起こします。十分な剛性の確保に加え、位置決めピンや基準面の精度を高めることが不可欠です。

熱影響の抑制

長時間の加工では治具自体も温度変化の影響を受けます。治具材質の選定や構造設計において、熱変化を考慮することで、寸法変動のリスクを低減できます。

段取り再現性の確保

多品種少量生産では、段取り替えの再現性が加工精度を左右します。モジュラー治具やゼロポイント治具の活用は、段取り時間の短縮と精度安定の両立に有効です。

当社では、モジュラー治具をはじめ、部品形状や加工内容に応じた専用治具の設計・製作を行い、安定した高精度加工を支えています。

3. 測定体制:加工精度を数値で把握し、次につなげる

高精度加工を保証するためには、適切な測定体制の構築が欠かせません。加工結果を正しく把握し、改善につなげることが重要です。測定体制において、考慮すべき点は主に以下の通りです。

測定機器の適切な使い分け

三次元測定機、画像測定機、各種ゲージ類など、ワーク形状や精度要求に応じて測定機器を使い分けることが必要です。

測定環境の管理

温度・湿度・振動といった測定環境が不安定では、測定値も信頼できません。恒温室や防振対策は、高精度測定の基本条件です。

工程内測定の活用

タッチプローブやレーザー測定を活用した工程内測定により、加工中の補正が可能となり、不良低減や歩留まり向上に貢献します。

当社では、ほとんどのマシニングセンタに非接触の機上計測システムを搭載しています。精度要求の厳しい部品については、加工後に工作機械内でミクロン単位の自動測定を実施しています。さらに、CNC三次元測定機、画像測定器などを含む各種検査機器を整備し、信頼性の高い検査体制を構築しています。

まとめ

高精度なマシニング加工を安定して実現するためには、工作機械の性能だけに頼るのではなく、設備・治具・測定体制を含めた総合的な取り組みが不可欠です。

高剛性かつ熱変位に配慮した設備を選定し、ワークを正確に保持できる治具を設計・運用し、さらに適切な測定体制によって加工結果を数値で把握することで、はじめて高い加工精度を継続的に維持することができます。

当社では、こうした体制づくりを現場レベルで徹底し、厳しい公差や高い品質要求にも安定して対応できる切削加工を提供しています。高精度部品の調達でお困りごとがございましたら、ぜひ当社にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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