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技術コラム

設計ミスを防ぐ!マシニング加工・NC旋盤加工でよくある図面指示の不備とは?

マシニング加工やNC旋盤加工の現場では、図面がすべての指示の基盤です。しかし、その指示があいまいであったり、不備が含まれていると、加工ミスや納期遅延、さらには部品の作り直しといった大きな損失につながることも少なくありません。
本記事では、実際の加工現場で頻発する「図面指示の不備」と、それを未然に防ぐためのポイントについて解説します。

よくある図面指示の不備

1.寸法の抜け

・基準面からの距離が記載されていない

・面取り(C面)やR指示の記載漏れ

・公差がなく、加工精度の判断ができない

2.加工順序や基準面の不明確さ

・複数の面から寸法が引かれている(どの面を基準に加工すべきかが分からない)

3.同一形状の統一

・「アルミ」とだけ記載され、A5052やA6061といった具体的な材質が不明

・アルマイト、焼入れなどの表面処理指示が抜けている

4.加工工程を想定した設計とサプライヤー選定

・2次元図面とCADデータで寸法が異なる

・CADにはある穴が図面に記載されていない

こうした不備があると、確認に時間がかかり、納期遅れにつながってしまう可能性があります。

不備を防ぐために設計者の方に抑えていただきたいこと

基準面・基準点を明確にする

「この面を基準に加工する」「この点を基準に寸法を出す」といった指示を明記することで、加工者は迷わず正しい手順を踏むことができます。基準が不明確だと、加工精度だけでなく組立精度にも影響を及ぼします。

公差は必要な箇所だけに設定する

すべての寸法に厳しい公差を設定すると、加工が不可能になる場合や、コストが大幅に上がるリスクがあります。重要な箇所には厳しい公差を、その他は緩和した公差を設定することで、精度とコストの両立が可能となります。

2次元図面とCADデータの整合性を取る

部品が複雑になるほど、図面指示漏れや不一致が発生しやすくなります。必ず両者を照合し、差異をなくすことが重要です。整合性が取れていれば、CADデータをベースにした加工プログラム作成が可能となり、リードタイムの短縮にもつながります。

加工現場とのコミュニケーションを密にする

図面では表現しきれない意図やニュアンスを共有するために、設計段階から加工者と意見交換いただくことで、無駄な手戻りを減らし、より高品質な製品づくりが実現します。

まとめ

図面は設計者の意図を伝える「言葉」であり、加工者への「指令書」です。ほんの小さな記載漏れや不一致が、現場では大きなトラブルやコスト増につながります。設計者が加工現場の視点を持ち、基準や寸法、公差、データ整合性を意識した図面を描くことで、不要な手戻りを防ぎ、スムーズな生産につながります。

当社は、設計者の方と現場が一体となって製品をより良い製品をつくるためのご提案を行っております。「図面をどう見直せばよいか分からない」「設計レビューの観点を知りたい」といったご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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