長尺シャフト

こちらは、半導体製造装置に使用される全長440mmの長尺シャフトです。加工には複合旋盤を用い、ワンチャッキングによる全加工を実現しています。

本シャフトは、全長440mmに対し、各部の軸径すべてをh7公差で仕上げるという非常に厳しい精度要件があり、さらに円周振れは0.03mm以内に抑える必要があります。こうした高精度な仕様に対応するには、材料の特性理解、工具選定、加工ノウハウすべてにおいて高度な技術が求められます。

例えば、使用材料のSUS304は、切粉がワークに巻き付きやすく、面粗度に悪影響を与えることがあります。そのため、切り込み量や送り速度を最適化しています。

また、ノーズRの小さい工具を採用することで、刃先の接触抵抗を低減し、びびりの抑制にも配慮しています。

さらに、全工程を一度に加工するのではなく、適宜加工を止めて寸法確認を実施しています。熱変形や加工応力による寸法ズレを防ぐため、都度加工条件を見直しながら工程を進行させています。